第26回日本呼吸ケア・リハビリテーション学会学術集会を開催するにあたって
このたび2016年10月10日(月・祝)と11日(火)の2日間、パシフィコ横浜において、第26回日本呼吸ケア・リハビリテーション学会学術集会を開催する運びとなりました。
本会の歴史は既に四半世紀を過ぎ、会員数も3,600名を超え学術集会の参加者も年々著しく増加し、昨年10月の参加者は2,500名を越えています。本学会の従来からの特徴は、チーム医療による呼吸ケアの推進と教育の徹底であります。今回第26回学術集会のテーマは「人類の課題-『呼吸不全』~科学と人間からの挑戦~」であり、その趣意を以下に記載いたします。
一つ目は呼吸不全を共通のテーマとしている呼吸療法医学会とのコラボレーションであります。主に本学会は慢性呼吸不全を取り扱っていたのに対して呼吸療法医学会では急性呼吸不全を対象とした人工呼吸療法が主軸となっています。しかし慢性期からの増悪、あるいは急性期から亜急性期を経てどのように在宅ケアに移行するのかなど、その境界はないに等しく連続性のなかでの議論を行っていかなければなりません。
二つ目はエビデンスをしっかり位置付け、その上に方法や技術を積み重ねていくことであります。即ちエビデンスの体系付けにくい呼吸リハや重症呼吸管理においても、積極的にスタディをして発表してほしいということであり、サブタイトルの『科学する』ということであります。
三つ目はこの領域は自然科学と人間の文化との調和の中にあり、また常に進展しつつ変化していくということです。最近普及しつつあるハイフローセラピーはまさに、このような技術の1つでありますが、呼吸不全治療のパラダイムシフトといっても過言ではありません。このようなことは、本領域ではまだまだたくさんあり薬物療法や吸入療法・栄養療法など治療の形は違いますが、その適応や評価は学会として正確に行っていかなくてはなりません。
新しい皮袋に、パシフィコ横浜を用意しましたが、スペースも広く十分発表や講演の実が成るように現在プログラムを企画中です。具体的には、呼吸器疾患の人工呼吸・酸素療法を含めたあらゆる急性期管理、それに引き続く呼吸リハビリテーション、更に慢性期のトータルケアとして、運動時・睡眠状態からの検討、在宅に繋がる日常活動性評価、更にすべての治療についてその普及に関連する診療報酬の問題など、呼吸ケアに関わる職種の方々が常に問題意識を持って対応しているテーマです。
またそれを総括する形で、特別講演・教育講演(含海外招請講演)・シンポジウム・ワークショップ、更にランチョンセミナー・コーヒーブレークセミナーを作成しつつあります。特にNPPV・ハイフローセラピー・SASに対するCPAP・呼吸リハビリテーションの方法論と効果等については、海外招請講演を依頼中であります。
日中の議論のみではなく美しい夜景の中での討論と団欒も横浜ならではと考えています。
この領域の医師・看護師・理学療法士・臨床工学技士・薬剤師やその他の多くのコメディカルの方々など1人でも多くの方々と横浜でお会いでき有意義な祭典にしたいと願っております。
事務局
聖路加国際病院呼吸器センター内科 西村直樹(事務局長)
仁多寅彦
藤井かおり(医局秘書)
聖路加国際病院救急部看護師長 田村富美子